(衆愚感)

最近の著作権界隈の話題で書き足りなかったこととか、今度こそ太宰で一杯やるぞとか、でも本当の狙いは相談役だとか、色々とメモ。

  • ニコ動のMADで逮捕された云々

「ニコ動オワタ」から「カスラック」「MAD文化が滅びる」「MADまで規制するとか気が狂ってる」とか、ワーワー言われてる、んまぁ基本的には規制側の音楽ギョーカイへのバッシングに溢れ溢れている訳でさぁ。「こんな見当違いなことやってるから売上も下がるのにね」的な見方も含む。批判的なものばかりということは、つまり要約をしていくと「今回のアップローダーは逮捕すべきでなかった、黙認すべきだった」という意味合いなるがどうなんだろう? 今回のアップローダー、2chなどで指摘されていた某ユーザーだと思われるが*1、その彼がどういうアップローダーであったかというと、「無許諾で音楽をまるまるアップロード、一部は非圧縮でアップロード」「投稿数は確認されるだけで500近い」「アニメ画像は背景だけに一枚絵として利用(つまり曲調や曲展開に合わせてアニメ動画が編集される様な、良く知られているMADとは全然違う)」「マイリストの説明が海賊行為の認識に加えて違法ダウンロードを幇助するかの様な内容」というようなアップローダーであった。報道にあったAKBの楽曲は削除されている様だが、その他の彼の投稿は残っており*2今も視聴可能でコメが記念パピコ弾幕状態である。うへー。たまげたなあ。さて、そんな彼がようやく逮捕されるに至った訳だが、この逮捕は「滅びる」「気が狂ってる」「見当違い」に当てはまるのだろうか。俺は全く思えないわけだが、今はそういう時代なんでしょうか。ググればすぐに追える経緯だったのだけど、それであのようなレスポンスになるのが今の時代なんでしょうか。
これに関連した話題で、どっかのレコード会社が違法アップロードの捜索の為にバイト雇うってネタがあって、それすら叩かれてたんだけど、凄い時代になったもんだと思います。おっそろしいなぁ。

  • 違法化したら音楽離れでざまあ云々

マイボイスのアンケート。そもそもマイボイスってのはお小遣いサイトな訳で*3、里が既に知れているというものだが、まぁいいや。アンケートはアンケートであって、データが得られたならそれは貴重なもので使い道があるものね。このデータから見て取れるのは、確かに減少傾向にあるということだ。しかしそれが違法ダウンロード刑罰化によるものなのかは別の話……なんだけどねぇ。記事や図をパッと読んだときに違和感があったのはサンプルの年齢構成で、中高齢者の割合が大変高い。10代は1%、20代は10%しかいない。実際の人口において30代は40代よりも多いはずだが、この調査では23%に32%とねじれが生じている。日本の音楽市場に占める消費者の構成で10〜30代は過半数を軽く占め得る中核なのだが*4、それに沿わないデータでどこまで語れるというのだろうか…。ま、そんなデータですが、この減少傾向を中高年に由来するものとして見ることは出来るのかもしれない。実際、RIAJでは中高年層のお小遣い額の減少を指摘しているし、中高年層は若年層よりも近年のデジタル化に柔軟に対応出来ないことも踏まえるべきか。例えばここ数年で盛り上がったジャンルにはボーカロイド系が挙げられると思うが、中高年には難度が高いジャンルでしょ。ちなみに基本的な音楽市場の話だと、ここ最近の音楽CD出荷数はどうしたことか回復傾向。理由は分からんが違法化でCD市場好調というのが実際の流れ。深刻なのは着うた市場と伸びきれないインターネット市場で、複雑だったりするし、当然これらに考慮しなければならない。そもそもダウンロードの刑罰化云々にしても、違法共有という世界は昨日今日の新人という訳でなく、ずっと慣れていた体質が明日明後日で全快する訳でもない。太るのは楽だけど…みたいな話かな? ましてや違法化を決めたところで、前段で述べたように海賊コンテンツの世界は今も健在だということも忘れてはならない。それがなくなってから初めて「ざまあ」を言うフラグが立つのだが…。

マジで驚いたニュース。どういう経緯でこの判断に至ったのか知りたい。だいたい今更になって何が狙いなんだよこれわ。世間はプラスに担ぐが、ぶっちゃけマイナス要素の方が濃いだろうに。iTSに参入すれば*5売上伸びて海賊行為も無くなって音楽ギョーカイは超ハッピー、なら欧米は今頃ウハウハやねん!Vやねん!  さて「これで勝つる」と思ったからこそハンコも押されたのだろうが、どんな判断だ。どの部署の判断だ。「みんなのためさ〜(ニッコリ」なんてお花畑な理屈は絶対にない。無理筋に考えてみる。一つは目先のDL売上を欲しがっている。赤字改善の為に売上をかき集めるのは喫緊の課題なので理屈に沿う。しかし日本市場においてiTSの売上は微々たるものだ。更に割の良いCDパッケージ売上へ悪影響が出ないとも言い切れない。実際欧米はこれで暗黒時代なんだよなぁ(藪) 推しが弱いか。足りなければ二枚腰。この足がかりとなったのは先日のAAC+DRMフリーだろう。「結局Apple製で使えるんだしそっちで売ってもええやん」と言う流れ。これはPSWもだが、スマホをかなり意識していたはず。最近の着うた市場の減少、モバイルのインストールベースがガラケーからAndroidフォンやiPhoneになろうとしていることを相当強く見たというか、押し切られたのかな。スマホへの対応はあるべきなんだが、スマホが実質パソコンだとするなら、その先行きは苦しいものになるのだけれども。また着うた市場の衰退に関しては皆「スマホの時代だもの」でオチているが、自分はかなり懐疑的に見ている。んー、まだ足りないか。三つ目は…四つ目もないなー() あー、利用者の増大でサーバー増強したいが予算無いからiTSに分散させよう、ついでにiTSから試聴による著作権使用料分配を受けよう、ってのは効率いいのかもしれない。まぁ〜、この件については中の人の本音が聞きたいが、オフレコでもない限り知ることは無理なんだろうね。

  • 録画補償金の裁判が終了

このエントリ書いてたら入ってきたニュース。個人的にはどうでもいいんだけど*6、高裁を踏襲ってのはちょっと気になるか。あれって確か「コピー制御あるなら、補償金を払わなくてOK」じゃなくて「法に書いてないし想定外だったからOK」みたいなノリだったはずで、著作権保護とかそういう議論からは遠かった記憶があるんだけども。どうだったっけ、だとするなら違法ダウンロードの刑罰化みたいにあっさり法制化されたりして。仮にそれがなくても、この判決の影響でムーブバックとかが出来なくなったりするのだけは勘弁だわ。それに今後の利便性向上に足かせが付きかねないんだけど世間は歓迎してんだよなー。ネット世間ってのはアンチテレビだから関係ねーよってことだね。つかあれだね、SARAHとSARVHは分化してないでいい加減に統合して合理化しろよって思うよね毎回ね。あ、もしかしてソニーの軟化ってDAPスマホへの補償金課金がメド付いたとか…って流石にないわ、でもデムーロの馬が来たらそういうことにしておこう。

*1:あれだけ状況証拠?が合致してれば確定でいいはず

*2:おそらくAKB以外は全く削除されていない

*3:そういや幽霊会員だ俺

*4:RIAJの音楽メディアユーザー実態調査より

*5:DRMフリーにも同じこと言えるか

*6:あっても数百円くらいなら別にいいやって思ってるんで