目には目を、

禿には禿を

そんな悍ましいものがロンシャンを向いて渦巻いていたかのような京都大賞典のこの大外からの快勝劇。ま、レース内容自体は平凡でしかなかったんだけどね。しかし因縁を感じさせるこの結果には満足。数週前にはヒルノダムールらのリタイア等があり、毎日王冠やアルゼンチン予定組と比較して「どうすんだこの再放送ドラマ的メンバー」「アイルランドTよりも酷くなるんじゃねーの」など散々言われた京都大賞典でしたね。あまりに空き巣だったので急きょこちらに回る陣営が続出、おかげでそれなりに体裁は繕えた。直前にビートブラックが回避しましたけども。そんなゴタゴタメンバーの前哨戦なら…と、コスモラピュタに期待してました。鞍上の和田もナムラクレセントでこの手の馬に定評ありますから。ところが心房細動というアクシデントで大差負け。こればっかりはどうしようもないね。ナムラタイタン買ってた人よりはマシだったと思うことにします。こればっかりはどうしようもない、というのはオルフェーヴルも然り。あれだけ星回りが向いていたものの、最後の最後でまさかの失速。失速というよりスミヨンまともに追えてない。やたら内ラチにってのは父ステイゴールドブルーイレヴンを思い出すね。やっぱり競馬というのは功罪両面で血がモノを言うスポーツ、歴史物語と言える訳ですよ。ディクタスは罪な馬だわ。

勝った馬はまさかまさかの伏兵、牝馬ソレミア。どうせ道悪の鬼だから、どうせ道悪の気まぐれ展開だからかもしれない。が、去年のデインドリームやシャレータ、古くはアーバンシーも当時はこんな伏兵フロック扱いだったんだよね。それがどうしてアーバンシーは繁殖を通して歴史的名牝となり、デインドリームやシャレータは翌年に大きいところ勝つんだからなぁ。このソレミアの今後にも輝きがあるのかもしれないね。その勝ったソレミアの血統、父は無名と言っていい92年産のサドラー直仔であるPoliglote。そして母父はShirley Heightsと、まるで20年前からタイムマシンに乗ってお越しなさったかのような配合。なにこれ凄すぎるわ。日本式に例えるなら、今年のダービーでメジロライアン×トウショウボーイの馬が優勝したみたいな感じだもんねw

んー、この欧州の途方もない奥深さにオルフェーヴルや日本競馬は屈したのかもしれないな。いやいやオルフェーヴルにしたって父ステイゴールドが、プリンスリーギフトノーザンテースト→ディクタス→サンデーサイレンスと、社台がこれまでに紡いで来たもの。そこに母系にメジロの歴史が加えられ、まさに日本近代競馬の歴史を具現化、結晶化させた配合なのがオルフェーヴル。しかし欧州は、日本が20〜30年で積み重ねてきたこの結晶を、20〜30年前みたいな血統で壁となってみせた訳だ。実質最強みたいな結果だったが、それでもまだまだ足りんのだろうね。それを言わんとしてるんだろう。3着のマスターストロークなんて父がMonsunなのはいいとして、母父がラムタラで母母はアーバンシーなんだよなぁ。ここで走る為に生まれてきたような配合。ストーリーがあるよホント。上位馬にはドイツ系の血が多いんだけど、社台は何を思うかなw とりあえずマスターストローク買うか!

ま、不良馬場をメイチで走ったのなら反動が心配です。ペース的にそこまでキツくなかった風に見えたんだけど、直線でみんな脚上がってたからなぁ。緩むところが無くて結構こたえてた? ロジダービーに比べれば大したことないんだろうけど、それでもキツイ競馬の後は故障以上に深刻な事になりかねない。ケアがしっかりなされて欲しいところ。今年はもう休んでいいんじゃないのかなぁ。