着うたとスマホ

メモ。

RIAJが有料音楽配信の2011年の統計を発表。IT系やビジネス系なメディアが扱っている。そのRIAJのデータによると、

  • モバイル向け(いわゆる着うた)が大きく減っている。
  • インターネット向け(iTunesやMoraなど)は毎年コツコツと成長。

以上に対して、スマホの影響が大きいという見解が各紙で見られ、世間の反応も同調という感じ。スマホの影響については自分もそう考えていたが、よく考えてみるとどうだろう? 
何故なら、

  • スマホスマホと叫ばれるが、全体の普及率はまだ1割強*1
  • 女性の普及率が低い(RIAJ調査では男性の半分程度)。
  • 現在の規模で大きな影響を与えられるのか疑問。

脱線すると、例えばBlu-rayはお前らの中でどうなっていたんだ…。そこのスマホ担ぐ君、まさか「BDは普及してない」とか思ったり言ったりしてないよね? もちろん今じゃなくてBlu-rayの世帯普及率やセル市場シェアが1割程度だった頃、2〜3年くらい前にだよ? 今がスマホの時代と言うのなら当然あの頃の君は…。
まぁそれはともかく次はその1割強、今のスマホユーザー像を考えてみる、要するにアーリーアダプターと言っていいはずだ。

  • 若い人、中でも男性が多い傾向。
  • PC慣れしててデジタルリテラシーが高い。
  • iPhoneユーザーが多い。
  • 音楽購入額が多い。

以上は着うたユーザーから受けるイメージよりも、iTunes/Moraユーザーから受けるイメージの方が強いと個人的に思える。実際にRIAJのユーザー実態調査でも傾向が表れている。またiPhoneユーザーはiPodユーザーだった経歴が濃くなると思うのだが、そのiPodユーザーも着うたとは疎遠な間柄であるように思う。Androidユーザーだったとしても、またWalkmanやその他のプレーヤーのユーザーだったとしても、それは同じであるように思う。彼らは着うたなんかスルーして、PCを母艦とした運用*2をしているだろう。音楽購入額が多いことは市場への影響力の大きさを意味するが、彼らがガラケーで着うたを多く利用していたユーザーでなければならず、それは矛盾している。
もちろん、

  • スマホは現在進行形で普及が進んでいる。
  • スマホ移行が将来の主要因となるのは間違いない。
  • 着うたDown、スマホ向けUpという数字は事実。

だからこそJASRACRIAJなどが腰を上げて、スマホ移行へのサポートを表明せざるを得なくなった*3。しかしながら現時点での評としての「スマホが原因」は、買い控えの要素を加味したとしても不釣り合いに見える。力不足感が拭えない。分析としては他の要因を探すべきだと思うね。そういう臭さがあるんだよ。とは言え世論やメディアの潮流に逆らえそうにはなさそうだが…。ま、ギョーカイの腰を上げさせるには丁度いい嘘も方便だったと思う*4
さて、ではスマホ以外の原因があるとすれば何だろう?

  • ガラケー世界を考えるとグリーやモバゲーの影響?
  • 昨今のCD市場の復調との関連は?
  • 着うたユーザーがここ数年で無関心層になっただけ?*5

んー、どれもこれもが決め手に欠ける。もっとデータが転がっていればなー。競馬で言えばガミるパターンだわこりゃ。

*1:ネット調査であれば2割超えたりするが…

*2:CD→MP3ってことね

*3:得なくなったってのも変な話だなw

*4:けどそれはそれで足元見られるんだろうなぁw

*5:着うたユーザーに30代が少なくない