盛りSOPA、SOPAゲティ

日本でも盛り上がってきたね。面白くなってきた。ただ、Twitterやらから世間の反応っての見てると、ほぼアンチSOPA*1。そしてその色合いを見ていると「あー、賛成派は(儲け安泰で)笑いが止まらんだろうなー」「まるで巨悪を倒すヒーローの様すなぁ」「ああ、これJASRACゲームと同じシステムだ」みたいな印象があります。
対岸の火事ではないけども、日本は米国と違った議論ムードになって欲しいものさー。例えば、利権ゴロ云々みたいな言われでSOPA賛成派が反対派から非難されているギョーカイ御一行だけども、利権ゴロなのはSOPA反対派も同じなんだよね。彼らも所詮ビジネスの為にSOPAに反対してるだけ。ぶっちゃけ反対派の方が程度が悪いんじゃ…*2。また、SOPAを支持するコンテンツホルダーに対して「時代錯誤」なんてフレーズによる非難があると思われるが、その時代錯誤に乗っかって良い思いしてるのはSOPA反対派。

00年代に入ってデジタル海賊が本格的に登場して成長していきました。コンテンツホルダーは海賊行為に対する取り締まりをあの手この手で起こしていきます。散々ニュースにもなりました。そうしてNapsterLimewireKazaaも潰してきた。しかし未だ海賊行為は収まる気配がない。さらにはP2P→アプロダの様なトレンドの変化、というか「アングラから地上世界へ」的なより悪い流れさえ起きている。海賊行為に対しての訴訟の為には割の悪い手間やコストがかかる上、インターネットのスピードに由来するパンデミックな違反の発生頻度に(おそらく物理的に)対応できないのが現実でもある。YouTubeのような超大手サイトでさえ、未だ無許諾アップロードのコンテンツが溢れている。中小サイトだって溢れている。ま、そもそも彼らは本腰を入れた健全化には取り組んでいない、いや取り組めないと言うべきなのだが。そんな経緯を通して、法*3の限界が「結局見えてきてしまった」のだろう。行き詰まりだ。「Viacomの敗訴が契機」「コントロールしたいコンテンツ屋vs今まで同様に楽に甘い汁吸いたいIT屋」という、Geekなページさんの指摘はとても正しいと思います。
そう捻じれて行き詰ったような現状こそ、今回の下地になっている。なのでSOPA反対して仮に撤退させたとしても本当の解決にはならない。いずれ別の何かに姿を変えた元SOPAがやってくるだけだ。糞な土壌には糞なものがやってくるだけ。健全かつ幸せなコンテンツの未来を求めたいというのであれば*4、賛成反対だけで終わって欲しくないところで。とまぁ、言うのは簡単だがそれは大変な労力、でも腹割っていかんと。ま、世間の反応見てると見果てぬ夢って感じになりそうだけども…夢は追いたいね。出来れば日本がそのビジョンを示すことで世界から「クールジャパン」と言われたいもんだ…無理か。

しかし、今回のってコンテンツホルダーが素直に黒幕なのかな? 実際のところ糞なSOPAなんですが、海賊対策として数段飛ばしてきたなという印象ではあるんだよね。まぁ200%の要求で80〜100%の本音を得るって方法論もあるだろうけど、どうも強硬的で。別の(リアルな)政治的な思惑*5も孕んでもいそうだが? ホワイトハウスは否定的スタンス取ったらしいけど、一旦引いて人気取りしつつ、SOPA騒動は継続させつつ、その結果アノニマス辺りに過激な行動取らせて大義名分を作ってから「新SOPA入荷しました〜」みたいな青写真とか描いてたりして。さすがに斜め上すぎるか。
ちなみにFacebookの人は今回の騒動に静観だって? すげーやっぱ天才って言うだけある。戦況からして静観は二番目に正しい答えだよ。 ← 超残念。


余談を一つ。楽天電子書籍への動きは残念だった。上にも書いたけど、「コントロールしたいコンテンツ屋vs今まで同様に楽に甘い汁吸いたいIT屋」というのは、電子書籍でもほとんど同じ。もはや一つの型でしょうか。そして楽天はその型に沿ったように見えるんだよね。ハウツー本やアナリストの言葉に「垂直」なんて言葉が踊っている昨今だけど、本当に勝つつもりなら取ってはいけない型だったと思うよ。

*1:まぁ、それは分かるw

*2:全員全部がじゃないですよ

*3:責任制限法

*4:コンテンツに乗っかってビジネスやってるとこは特にね…

*5:勢力