俺秋戦線異常あり

3/6、つまり50%。覚悟はしていた。とは言え、発表された出走表にブルーミングアレーの名前が載って無いのを理解した時、自分の内にある魂はバブルスライムの様に融け崩れていった。牡馬戦線で期待していたヤマニンエルブが菊花賞を回避した事、古馬戦線で期待していたオウケンブルースリがリタイヤした事、それらと相まって自分の中の秋競馬は始まる前から終了した瞬間でもあった。そこそこ長い間、競馬をやってきて悲しいこと辛いことは何度と無く経験してきたが、こういう落胆は初めてかもしれない。安西先生、ボクは競馬がしたいんです。


さて牝馬クラシック戦線に関して。アパパネ牝馬3冠、いや阪神JFを含めればグランドスラムという大偉業へ挑戦しようとしている。当然、春の牝馬戦線においてアパパネは主役であった。けれども自分はアパパネをこれまで本線どころか全く支持してこなかった。理由は単純で「キングカメハメハの産駒だから」という一点である。という訳で、桜花賞ではオウケンサクラシンメイフジアプリコットフィズの三点を強く支持して玉砕した。オークスは雨模様でキンカメ産駒に向く条件だったが、オウケンサクラを「バゴ産駒だし多分OK」、シンメイフジを「フジキセキ×ティンバーカントリーじゃん!」、アプリコットフィズを「分からんけどクイーンC勝ってる以上は左回り大歓迎だろ」、そもそも「キンカメ産駒なんかよりこの仔達の方が距離延長は向くんだし!」とか色々取り繕って再度本線に。加えて、好調なゼンノロブロイ産駒からサンテミリオンと単騎逃げに期待が出来そうなアグネスワルツ、そして惑星としてシンボリクリスエス産駒のブルーミングアレーを候補に入れた。
結果はアパパネ二冠達成で再び玉砕したのだけども、偏屈を除けば狙いは悪くなかったので負けた気はそれ程しなかったし、何よりブルーミングアレーの内容に見るものがあって、その収穫が後味をスッキリさせてくれた。「この馬強いなー」と今後の飛躍に期待が強烈に高まったものの、戦績を見ると勝ち味に遅い1勝馬。このままじゃ秋のトライアルレースにすら出られない。秋華賞出走の為には賞金を少しでも積まなくてはならない本馬、当然ながら夏は休養することなく夏競馬に出走する。そして500万特別と1000万特別を連勝かつ快勝する活躍を魅せてくれた。秋華賞に向けて自分の腹も決まった。ぶっちゃけ内回り2000mという条件がこの馬に向くとはあまり思えないのだけどね。それでも揺らがなかったし、もう馬券がどうでも良くなっている惚れ込みだった。
しかし抽選の壁は冷たかった。自分の中でここまでお膳立てが整っていたのにお預けボッシュートにされてしまった。誌面においてもブルーミングアレーの名前は惑星として十分に扱われていた訳で、悔しい思いをした競馬ファンは決して少なく無いだろう。当のブルーミングアレー陣営にとっては断腸の極みであろうと察する。とは言えこればかりは受け入れるしかない。
その一方、抽選を突破してきた馬を見てみると、レディアルバローザレインボーダリア、アンティフリーズとなってある。そして落選したのはブルーミングアレーを始め、スマートシルエットとトゥニーポート。Oh...「ギギギ」な決着とはこのことか。何でかって、レディアルバローザとアンティフリーズは1600m戦までしか勝てていない馬。レディアルバローザは前走ローズSで10着に大敗。逆にトゥニーポートはそのローズSで5着に入った馬だ。レインボーダリアには1800m勝ちがあるが、前々走のおおぞら特別でブルーミングアレーに完敗しているのだ。スマートシルエットは2200mと1800mの特別戦を勝ち上がった馬。はっきり言って、出走すべき3頭が落選し、空気嫁な3頭が当選してる格好。こういうのってそうないよね(笑) そりゃー馬券的には楽になったのかもしれませんけどぉ? ただ仮にもクラシックですんでねぇ…。でもまぁ、こういうのはW杯の「死の〜〜組」みたいなもんで、ルールだから仕方ないっすね。


諦めたらそこで試合終了ですよということで、じゃあこうなったらいっそこの抽選組に勝ってもらいましょうかね。ブルーミングアレーが勝つと信じた手前、レインボーダリアに頑張ってもらいましょう。戦績を見ると、11戦して掲示板を外した事は未だ無し&内9戦は複勝圏内。大崩れしないタイプですね。フィリピンTではイチブンやトモロポケットらと好勝負しているのも好感材料。ブライアンズタイム×ノーザンテーストという今では古臭い血統だが、過去にこの配合で秋華賞に出走した2頭、ナリタルナパークは2着、ニシノナースコールは3着に入っている。もしかしたらひょっとするかもしれない、よね? 陣営が今をときめく二ノ宮厩舎であるのも悪くない。レディアルバローザはキンカメ産駒ということは勿論、戦績的にも見るべきところがないのでどうでもいい。アンティフリーズは貴重なタップダンスシチー産駒というこで応援はしたくなる。おそらく産駒の傾向は晩成だと思われるので、この夏の成長に期待してもいいだろうし2000mの距離も問題ないだろう。母系はあのシルバーレーンで器としては文句なし。
まぁこんなとこかな。あとはタガノエリザベートタテヤマの様に一刀両断する展開も望んでみたい。ヤスヤススペシャルな秋華賞。つまりブゼンキャンドル。なるほどマツパクスペシャルということか。せめてこういうネタっぽさで自分の秋戦線への渇きを潤したいものである。