本田さんがキレててワロタ

Blu-rayネタです。はてブBlu-rayタグ使いまくってる自分なので、いつか日記帳の方にも何か書くだろうなと思ってはいたけど、まさかこんな話題になるとは(笑)。
さて、流石にBlu-rayはもう説明する必要ない認知度になってるだろうけど、「本田さんって誰?」「キレてると言えばやっぱり本田△?」だったりですよ。本田さん、本田雅一さんと言って、IT・AV機器が専門のニュースサイトや新聞や雑誌などで活躍されている立派なライターさん。何より、Blu-rayHD DVDの次世代ディスク戦争、及びその戦場を記者という立場でより多く深く経験していた方です。自分の知りうる限り、次世代ディスクにおける現在までの経緯に精通し、かつ適切な情報を提供していたライターさんは本田さんが1番じゃないかな〜ってほど自分の中で高評価のライターさんです。
で、その本田さんがキレてました、Twitterで。先日放送されていたフジテレビの報道2001という番組に対してキレてました、Twitterで。自分は番組を見てないのだけど、その報道番組のとあるコーナーでCBHDの話題が扱われたようで、本田さんは専門家としてフジの取材を受けられたのですが……、あぁ「CBHDって何?」という人が当然いるでしょうね。そんな方に説明すると、CBHDは「中国版HD DVD」と言うのが最も的確かと思います。次世代ディスク戦争に負けたHD DVD陣営の東芝メモリーテックが、その技術や人材を中国に亡命させる形で(Blu-rayへのリベンジとして)中国から再起・巻き返しを図ろうとしている、それがCBHD。ガワも中身も実質HD DVDですが、「中国が独自開発した国産規格アル」とのこと。ちなみにCBHDは「China Blue High Definition」の略称。当然Blu-rayも中国市場で展開しているので、中国市場において次世代ディスク戦争の第二ラウンドが始まった!なんてザックリと考えてくれればいいかと。さて本田さんがどんな発言したのかについてだけど、コピペは流石に不味いのでリンクにします。箇条書きっぽくTwiられていたので直接見た方が分かりやすい(無断リンクになるのでこれも不味いんだけど)。

最初見た時、昼食として食っていた太麺堂々(味噌)をモニタにぶちまけそうになりました。ちくしょー、この番組見たかったなぁ。まさかキー局でこんなのが出てくるとは思いもしなかったYO! 今頃になってというのもかなりポイント高いわー。で、本田さんの指摘内容については大体その通りなんです。プレーヤーの件はソニーですら定価1999元で発売済。Blu-rayは世界需要を追い風に生産開発が出来るのでこれからもどんどん価格は下がり機能も良くなります。ソフトに関してはハリウッド物だと確かにCBHDが安い傾向にあるんだけど、それはCBHDが安いと言うよりも、BD陣営が価格設定を富裕層に向けてるだけだと思います。CBHDよりも圧倒的に安いDVDやCDでさえ、海賊盤が圧倒的というか手の付けようのない状況なのが中国ですから、仮にBDをDVDより安くしても正規盤を買うのは富裕層や海外(輸出)需要に偏ります。だからなのか「今は富裕層に売って、中産層にも普及する頃になったら価格再改定すればいいや」みたいな。日本の場合、DVDソフト3980円に対してBDソフト4980円が相場だけど、これがDVD3980円に対してBD12980円となっているのが中国の現状です。結局この価格面に関しては「BDのコストが高い!」とかそういうものではなく、やろうと思えば明日にでも修正可能なものだったりする。事実、日米欧ではBlu-rayHD DVDも同じ価格でソフトが販売されてたでしょ? そもそもプレスコスト自体、今となってはBlu-rayの方が安くなってるでしょうし、中国でのタイトルリリース数を見ればBlu-rayがCBHDの数倍以上ありますし、リージョンフリーのBlu-rayソフトが日米欧にあるので、それら海外盤の入手を含めると更に数倍、いや数十倍の差なんです。オーディオビジュアルに関するコミュニティサイトなどでも海外盤を入手している現地ユーザーの方を普通に見かけますよ。ライセンスに関してもBlu-ray市場の拡大を受け、去年に単純化・安価化がなされました。
中国は新興国なので、旧規格にあたるDVDが日米欧以上に圧倒…どころかVideoCDすら未だそこそこのシェアを持ってる程の国。海賊盤を含めてもハイビジョン方式の市場はまだ立ち上がっているとは言えず、第二ラウンドのゴングは鳴ってすらいないかもしれません。しかしながらPS3があれこれ輸入されていたり、BDドライブ搭載PCがVAIOだけでなく現地メーカーからも出てきていたり、果ては「なんちゃってBlu-ray」なる海賊盤が店頭に登場していたりと、Blu-rayの市民権?は中国でも日々拡大中。この辺の事情は、中国在住のIT系ライターである山谷剛史さんが時々記事にしてくれていて非常に参考になります。そして彼は記事で第二ラウンドでのBlu-ray優勢に加え、中国でも主流になっていくのだろうと述べています。2010年を元年として注目を浴びた3D方式においても、CBHDで対応がされていない(おそらく帯域的に難しい)のは大きな弱みになるでしょう。まぁそれら色々な背景を考えれば「CBHD苦戦、EVDの再来か」というのが妥当な見方なんです。さぞフジテレビはCBHDをヨイショヨイショしてたんでしょうね〜。本田さんは完全に出汁に使われたみたいで、そりゃキレはるわぁ…。

この上記のコメントで本田さんは「偏向の無いように」と注文を付けた様だが、こういうのは不味かったりするのかもしれない。というのはメディアは実情を無視して両者引き分けの様なニュアンスに持って行ってしてしまう事がある。例えるなら、長さ30cmの棒の秤があったとして、左には100g右には50gの重りがかけられているけど、彼らは棒の中間(15cm)を釣り合うポイントにしてしまう。当然これでは釣り合わないので、釣り合わせる為に片方の重りを弄らざるを得ない=偏向が起こる。この現象は数年前の次世代ディスク戦争当時にも起きたことで、Blu-rayが陣営やシェアなどでリードをしていたにも関わらず、彼らは両者五分五分の様なニュアンスを続けることに終始していた。次世代ディスク戦争をユーザー側から見ていた自分も「それはないだろー」と腹立たしかったのを覚えてます。実際にパナソニックの中の人(小塚氏)も不満をはっきり言ってました。ただ、本田さんは全てを説明し切った上で「そもそもこんな企画は無理あるからやめた方がいい」とまで番組制作側に伝えていたので、当のフジテレビは一体何を考えていたんだ、どんだけ中国ベッタリやねんと言う話になる。だいたい他に時間を割くべきネタは腐るほどあるだろjk…特にここ最近なんてねぇ。
ま、フジテレビはポニーキャニオンでもあるし〜? そのポニーキャニオンメモリーテックの盟友だし〜? 何かしら繋がりもあるんでしょう。こういう情報戦略や根回しの汚さというか巧さには、HD DVDっぽさを懐かしく感じております。多分CBHD側からフジに対して美味しいアプローチがあったんだろうなーと自分は妄想しておきます。


最後に、昼飯に食っていた太麺堂々は大変美味しかった。あえて1分くらい多めに待って麺が伸び気味の方がいい気がする。日清は麺にフォーカスをあてた商品開発を強めてるけど、「UFOは以前に戻した方が絶対正解だ」という要望で締めさせてもらいます。