東京優駿2009

スタート直後 「ああ、また寄られた!」
向正面過ぎ  「よし、その位置で折り合ってくれー」
5F通過59.9s 「やばいやばすぎるこれはオワタかもしれん」
4角過ぎ 「いや、いけるこれはいけるぞ!」
直線半ば 「糞、やっぱり単騎のリーチ渋太い」「(馬券的にはどっちもOKだが…)」
直線半ば 「いや、やっぱり交わしてくれ!頼む!あとちょっと!」
直線後半 「何か内から…んん? え、ロジ!?」 「えええ!?」
ゴール後 「………。」

レース中の自分の心理状態を書き起こすと、こんな感じだったかなぁ。いやー、死ぬまでにこんなレースもう一度見れるんだろうか。地獄の様なサバイバルレースと化したのにイッタイッタな決着。いやー珍しい。ここは本当に日本ですたか? そんな日本ダービー
青嵐賞が2:35.7秒、むらさき賞が1:52.4と、不良どころか超不良馬場。だと言うのに、先手を取ったジョーカプチーノは5F通過59.9秒という超ハイペースで逃げた。もはや犬死により酷い、何がしたかったんだレベル。まぁスプリント〜マイルで戦ってきた勝気な馬なんだから、これは仕方なかった。むしろ人馬共に良い経験になったのでは。じゃあ1頭だけ暴走して他馬は放置する形であればいいのだけども、あろうことか後続が引き釣られた。ジョーカプチーノの8〜9馬身後方に2番手を追走していたリーチザクラウンの5F通過は61秒後半、その後方にいたロジユニヴァースは62秒強だろうか。これもかなり速いペース。実際、12Rに行われた目黒記念で逃げた斤量54.0kgのワンダームシャ(12着)の5F通過が62.4秒。勝った斤量55.0kgのミヤビランベリはこの4〜5馬身差、63秒ちょいで通過かな。ダービーでのイッタイッタを目にしたのもあってか、早め展開になっていた上でのタイムなのに。これより速いんだから直線では皆バテバテでスピード感の無さと言ったらどんだけ〜である。死語の一つ出さなきゃやってられない。
で、結局のところ不良馬場とは言うものの、皐月賞同様に先行不利なペースだったんだろうと思う。それを押し切ったんだからこの上位3頭は本当に強い競馬。マジで凄いよ。ちなみに3頭は皐月賞においてそんな先行不利な流れに乗って惨敗してたんだけど、ロジユニヴァースは体調管理の失敗、リーチザクラウンは単騎で行けなかったこと、アントニオバローズはぶっつけ本番でかつ滞在トラブルがありスタート直後の不利に加え角田の超のつく早仕掛け。今となっては簡単に言えるけど敗因は明らかだったんだよなぁ。それが今回、ロジユニヴァースは体調を立て直し(馬体重増)、リーチザクラウンはペースが早くなろうと馬に合った競馬をし、アントニオバローズはしっかり叩いて輸送トラブルもなし。そしてこの3頭、調教が抜けて良かったんだよねー(バローズは1週前に一番時計)。そりゃ好走しますわ。最速で突っ込んできたシェーンヴァルトナカヤマフェスタの上がりは3F39.0秒で他のレースよりも時計がかかっている。こうハイペースでは後ろも厳しかったんだろうね。とは言え、この2頭はベストな競馬だったと思う。溜めて39.0しか出せないのなら前に行っても…だろう。そういう意味では、この2頭と同じ位置にいたけど早く仕掛けてバテたトップカミングは少し勿体無かったか。
ナカヤマフェスタは父ステイゴールドの成長力は勿論のこと自在性もありそうな馬で、今後も重賞戦線を沸かせてくれそう。ただもう一皮向けないと大仕事は難しいかな。母父のタイトスポットからしてローカルで強そう。注目はシェーンヴァルトで、今回も直線勝負に徹していて伸びていた。気性難もあって不器用なレース運びをせざるを得ないけど、こういう馬はいずれハマって結果を出してくるタイプ。ジャンポケ×エリシオと長距離歓迎な血統で京都相性もあり、これはもう菊花賞タテヤマ!と言わんばかり。あと気になったのはゴールデンチケットの7着で、ダート実績のある本馬に不良馬場が向いたのは勿論だけど、毎日杯2着の芝実績&皐月賞は逃げてロジ&リーチに先着。スーニにも勝っており、もしかしたらドバイ狙える怪物なのかもしれない。ちょっと期待していたブレイクランアウトは惨敗でした。やはり距離が長かったか。かと言ってマイルだとスピード不足なので今後はダート路線になるでしょうね。同じく穴っぽく見てたケイアイライジンも案外。彼も血統的に距離の壁があったかな。
人気どころの馬…アプレザンレーヴは終始地味。ただ内容は中位からしぶとく競馬して青葉組最先着と示しは付けていて上々。血統的にも夏以降の成長が楽しみ。トライアンフマーチは脚が上がっていてスタミナ不足が露呈。直線一気の競馬に徹していれば8着までに入れたかもしれない、菊花賞どうするのかなぁ。セイウンワンダーは血統的に2400m走れそうなんだけど惨敗。不良馬場だった新潟2歳Sを勝ったことでも人気になっていたが、あくまでこの時の上がりは34.4。今回の様なサバイバルレースは向かないのかも。この辺は同配合なスクリーンヒーローと印象が被る。
勝ったロジユニヴァースは文句の付け様が無かった。スタミナ&パワーの権化、欧州遠征させるっきゃないみたいな感じ。やっぱり菊花賞に進むのかな。スタミナは抜群だし気性も折り合えるので最有力だよなぁ。敵は京都の軽い馬場でしょうか。リーチザクラウンは相変わらずの気性難だけど強さはしっかり見せた、ていうかメンコ効果すげぇ。今のところロジに漁夫られっぱなしだけど、スピードが活かせる良馬場ならばそれも変わってくるはず。菊花賞アドマイヤメインみたいな逃げが出来ると面白そうです。アントニオバローズもまた気性難な馬で、こっちはソラまで使う。ただそれも1戦毎に成長を見せていて、ダービー本番では落ち着きがあったし真面目に走っていた。ちゃんと輸送出来るってのは相当大きいんだろう。目標とする馬に併せに行けず、離れて追うことになったのは唯一の誤算かな。随分前から角田騎手がステイヤー宣言してたので菊花賞の有力なんだろうけど、総合力でまだ足りなさそう。先々は本当に楽しみな馬。ともかく、この上位3頭は本当に凄い競馬をしてくれたと思う。この内容は非常に濃い、だけに褒めたい気持ち以上に馬の状態(ダメージ)が心配。怪我になってないこと&無事に夏越せることを祈ります。

ところでアンライバルド皐月賞がフロックなんてことは絶対にないけども、やっぱり運が向いた中での皐月戴冠ではあったんだろう。そして今回も後方の位置取り、この判断は決して間違っていなかった。先にも言ったようにハイペース、そして2400mという距離なんだし。ただ、岩田騎手がどれだけ追っていたかは分からないが、上がり3Fが40.4と言うのは物足りなかった。窮屈な競馬だったけど、同じく後方から進めた他馬は伸びた訳で。血統的に道悪を特別苦手にしているとは思えないし、もしかしたら3強の中で距離の壁が一番近いのかもしれない。スタミナが足りないのか、気性で合わないのか。2000mだったら突っ込んで来れてたのかなぁ。おそらく菊花賞に進むと思うのだけど挽回はどうだろう。勝つ為には良馬場でソングオブウインドファストタテヤマの様な思い切った追い込みになるんだろうか。菊花賞で負けて人気落として有馬記念で爆発してくれると美味しい。
しっかしまぁ本当に楽めたダービーだった。不良馬場だとグダグダな内容になりがちなのに今回は全然そんなことなかった。ハイペースな競馬はやっぱり内容が濃くて後味も爽快だ。そして大したバックボーンなど無い素人に長々とベラベラと能書き語らせてくれる競馬は最高! これだから止められない。
え、馬券? ロジ君が居なかったら今頃目の前には札束が…。軽視してバッサリ切ったロジ君にはゴメンナサイしなきゃならない。そして最後にノリさんオメデト!! 天皇賞(春)後のイベントでは「俺、またダメだったヨ…」と意気消沈し、終いには自暴自棄になったのか「来年は俺がバカ殿コスプレやる!」とまで吐いていたのを思うと、( ;∀;)ホントヨカッタナーって感じ。ダービージョッキーとして凱旋する菊花賞(とうかその後のイベント)が楽しみでなりません。