未だnyやShare

を指標にし続ける、著作権関係(特にギョーカイや報道)というのは何なんだろう。まるでオリコンのTOP10みたいじゃないか。00年代に着うたがブレイクし、明らかにシングルCDの役割を担うように規模が育っても、オリコンがこれらを含めることはなかった。そもそも90年代にしても、レンタルCDが広く利用されているのに、それを含めたランキング、要するに欧米で一般的なニールセン&ビルボードの様な、CDの販売数だけでなくラジオのプレイ回数や現在だと音楽配信のDL販売数にストリーミングサービスでの再生数さえを含めた「とにかく今流行っているっぽいもの」を追及しようとする試みはオリコンになかった*1。だからオリコンのシングルCDの販売数だけが指標の、だが世間では最も扱われてきたランキング、それは「だいたいあってる」にせよ、必ずズレは出てくる。90年代なら有線放送由来であったり、00年代は着うた由来であったりした。そんな不完全なものが今、著作権関連、違法共有に関する分野でも担がれてる。
nyとshareの勢いが40%落ちた。それはそれでいいことだが、それがダウンロード違法化や刑罰化を主因とするものでないのは明らかじゃないか。まず旧来の法制度によるアップローダーの摘発、とりわけ「神」を摘発したことにより供給の質が落ちたことが起因するじゃあないか。そして00年代後半に著しく成長した投稿サイトのおかげで、今は違法共有の利用にファイル共有ソフトなど必要としない時代じゃあないか。今は誰もが使っているインターネットブラウザさえあれば可能なんだ。投稿サイトはメガなんとかやラピッドなんとかのアプロダやロッカー型であったり、音楽や動画であればYouなんとかやニコ二なんとかを始めとして、Soundなんとか、FCなんとかやXviなんとかのストリーミング型であったりする。皮肉なことに法規制の動きが実際されながらも、これらの海賊行為はnyやshareと違ってどんどん地下から表の世界に出ており、しかも会社こさえて大規模な金儲けまでしてやがる、どんな時代だ。
ま、ファイル共有ソフトという世界や文化は今後どんどん斜陽化していく。直近のトレンドからしAndroid版があれば延命を後押しするかもしれないが、そんな世界は育ちそうにない。なのに、いつまでACCS達はこの世界にこだわるんだろうか。「おまえら著作権の健全な世界を作る気あるのか」と言いたくなる。いやぶっちゃけ彼らにやる気なんて無いだろう。けど「ないにしてもこの体たらくは何だ、このあらいを作ったやつは誰だ!」と文句言いたくなる。
例のニュースの世間の反応にはガッカリしたものだが、あの「ざまあ」に対するカウンターとしては述べてきた「シーンの変化」で十二分に可能なのだけど、津田さんがブコメしてる様に「見せしめ」のオチやりそうだもんなぁ、前倒し的にガッカリする。本当はこの間に立つ報道メディアやネット系のニュースサイトやブロガーがちゃんとせんといかんのかもしれんけど…こっちも無力感あってゲンナリ。特にあのNHKの記事は酷過ぎる。ひょっとして、ああいう残念な反応を折り込んで人気取りでやってるだろこれ。まるでどこかのハシゲじゃないか。嗚呼どうしてこうなった。

*1:そしてこれは00年代の音楽市場の衰退の一因だろう