4K云々

自分の考え方をメモ


  • 4Kテレビは売れるのか?

当然売れる。しかし世の中のテレビが4K一色になることはまず無い。ただし50インチを超える大画面テレビに関しては、いずれほぼ4Kになるだろう。今の各社テレビの上位モデルに3D機能や倍速機能が当然の様に搭載されてるのと同じことになる。それで合格。終わり。

  • 4Kは大画面限定なら失敗じゃん

そもそも4K規格が市場のテレビ全てに搭載され、既存を塗り替える規格と考えている方こそ失敗。まぁ、マスメディアやアフィブログなんかはそういうものであるように煽っているんだろうけど。

  • 4Kは何の為にあるのか?

テレビの大画面化による「粗」の発生を防ぐ為。画像の一部を拡大するとその部分がドット感のある粗い画質になるのと似たようなもの。これを改善するには4K=パネル自体の解像度を上げるしかない。もう一つあるとすれば3Dテレビの底上げで、低解像度がネックだったパッシブ方式*1の3Dテレビにとっては追い風になるかもしれない。

  • 4Kコンテンツって出るの?

パッケージや放送で当たり前に4Kコンテンツが供給されることは10年先でも厳しい。というか先送ってSHVに絞った方がいい話。前者はソニーPS4をどうするか次第なのだが期待しないw 後者は有料chにおいて採用自体はされるだろうが、W杯や五輪などの大イベントのさらに決勝戦など一部の試合として限られ、レギュラー放送において4Kが運用されるというのは、今のスカパーが、単なるHD化すら満足に出来ない&そのHDも「なんちゃってHD*2」な現状から考えると答えは既に見えている。一般的なBS放送はもちろん、地上波放送が4K化されることも当然無い。インターネットにしても帯域の問題がかなり厳しく、こちらでもなんちゃってHDの二の舞が必然だろう。まぁ動画配信ってのは変にヨイショされるんで、なんちゃって4Kでもステマ的に太鼓判な空気が形成される可能性はあるのかな。テレビ以外のPCディスプレイでの利用だと、業務用は安泰だろうが、正直なところコンシューマ向けだとスマホタブレット*3によるPC離れが不安ではある。リビングサイズのテレビを母艦とし、モバイル機器でセカンドスクリーンという世界は4Kよりも現実味があるように思えなくもない。

  • 4Kコンテンツが無いのはキツくね?

確かにあった方がいい。しかし、4Kテレビにおける本当のコンテンツは、4Kコンテンツよりも既存のハイビジョンコンテンツだったりする。先述した通り、テレビのサイズが大きくなれば画質に粗が目立つ様になってしまう。例えるなら、ハイビジョン画質という奴には服のサイズやエアコンの畳クラスのように、テレビのインチサイズの目安というものがある。そして既存のハイビジョンの目安はテレビサイズで26〜50インチくらいだろうと思われる。で、大画面テレビで既存のハイビジョンを見るというのは、インチオーバーしていてバランスが崩壊、既存のハイビジョンをダメにしてしまうということ。そこで既存のハイビジョン画質をアップコンバート*4することでその問題点を改善する。26〜50インチだった受け皿を、26〜80インチに拡げて、大画面テレビでも既存のハイビジョンを不快感なく見れるようにする。まぁアプコン(アップコンバート)というのは誤魔化しの技術でしかないんだけど、その効果は決してバカにならない。だからテレビの大型化に数年前から目を向けていたシャープは、ソニーのアプコン技術者を引き入れたのかもしれない。

  • 置く場所ねーのに大画面とかメーカーは馬鹿杉

日本はそうかもしれないが世界は違う。特に巨大市場であるアメリカと中国は違う。日本でも大画面の需要は実際伸びているけれど、海外はそれ以上に伸びている。彼らは単価の高いデカテレビを欲しがっている。ちなみにアプコン機能というのは激変するものではないが素人目にも無視できない画質差を生じさせてしまう。つまり家電量販店のテレビコーナーで、日本メーカーが4K無視したことで汚い映像を見せざるを得ない横で中韓台のメーカーが4Kによって汚くない映像を見せていて値段も大きく変わらなかったらどうなるか? 仮にそこそこの価格差があったとしても、大画面志向の人々の属性というのは、比較的富裕であるか、AV*5機器ヲタなのだから、彼らにとって価格の重要性というのは低くなる。近年、日本メーカー各社がテレビ事業を主要因として大赤字を出したのは、超円高&超ウォン安という無視出来ない要因を背負っているというのに、シェア拡大に固執するが余り、ユーロ不安まっただ中の冷え込んだ世界で中韓台や新興国勢と価格競争をやり合った結果でしかない。そのうちiPhoneに対して言われることではないかと思うが、今日シェアはそこまで重要ではない。
そういや日本メーカーはデジタル化やハイビジョン化や3Dやら、こういうの叩かれるけど、そういうのは中韓台のメーカーもバリバリやってるし、コンテンツの巨人である米国ハリウッドもノリノリだったんだからね。そして今回の4Kも同じだから。4Kってその程度の存在。むしろ大型化する需要傾向や、タブレット等によってリビングのテレビが存在感がオワコンだとか危惧され、いざ米国が調査してみると、むしろユーザーはリビングのテレビに吸い寄せられてタブレットとの二刀流をしつつあるという現在進行形にも注目した方がいいかもね。


【追記】
あと個人的な期待として、4Kや大画面テレビの利用には電子書籍(特にマンガ)がダークホースかなと思ってます。タブレットは所詮ワイド版にもならん訳で、昨今の「ドン!」とかは大きいディスプレイでこそ映える訳です。デジタル時代な制作現場とは言え、原稿や掲載雑誌のサイズはとても大きいですし、そのサイズがもたらす没入感が望ましいはずで。なので家電メーカーさんは画像表示機能に二枚表示とか搭載してみるべきかと。タブレット等から出力させればいい話だけど、画像表示機能は付いてるんだから、どうせならって話。

*1:メガネが安くて軽くて済むタイプ

*2:フルHD&低ビットレートによる地デジ未満の糞HD画質

*3:それに伴うWindows離れ

*4:画質を補正する機能

*5:オーディオ&ヴィジュアルな!