菊花賞の展望

あのダービーから数ヶ月、ついに菊花賞がやって来る。意気揚々と淀に乗り込むつもりだったのだけれど、所用でワンセグ観戦になりそう。楽しみにしていたので本当に無念、ちくしょー。
で、菊花賞なんですが、ダービー馬のロジユニヴァースの回避から始まり、神戸新聞杯ではイコピコが春の実績馬らを一刀両断、そして天気予報によれば当日の空模様は怪しげと、毎年恒例の波乱含みの様相を呈してきました。まぁそれはそれで絵に書いた餅ではあるけども一攫千金のチャンスだし、獲らぬ狸の皮算用だけども可能性を前にしてはワクワクが止まらないという俺達は本当に良いカモだなと。ま、当日行けない鬱憤晴らしで展望してみようかなと。東京優駿の回顧で書きましたが、自分の本命はロジユn…だったけど彼は居りませんので他を探すことに。その為に整理整理。
まず1つ目、これまでの春戦線に関して。皐月賞は有力馬が頓挫し前崩れな展開になった中、アンライバルドが漁夫の利ながら圧勝。ただ優秀な時計で勝っており、内容はフロックではなく彼は強い。一方、東京優駿皐月賞で頓挫してた馬が本来の能力を発揮する形で挽回。このレース、不良馬場や着順から前残りという評価がされていたりするけど自分の見解は逆。回顧にも書いた様にリーチ以下が刻んだペースもかなり早く、皐月賞同様に前が不利。その展開を押し切ったのだから優秀、タフなレースとなる菊花賞にも期待の持てる内容…なら単純にその上位陣を買えばいいじゃん!って話なんだけど、問題はこの上位が神戸新聞杯でサクッと負けたこと。ということで神戸新聞杯の吟味が必要。
2つ目、その神戸新聞杯。とみに2:24:2というレコード決着について。1800mにはなるが、前週のローズSブロードストリートが1:44:7、同日の平場500万で1:45:5、これだけの時計が出ていた事から超高速馬場であった事は明らかで2:24:2という数字は実質的にレコードの価値がない。ぶっちゃけスロー寄りな時計の気がしないでもない。だからなのか、アンライバルドアントニオバローズは向正面に入っても行きたがっていた(=皐月賞やダービーがハイペースだったことの裏付けでもあると自分は見る)。ただ、スローならそれでヨーイドン&キレ合戦になっていいんだけど、それを出来たのはイコピコただ一頭だけ(強いて言えば高速馬場に強かったセイウンワンダーもかな)。先の勝ちタイムへの指摘の通り、イコピコの勝ち内容は決して強くない。ただただ他が酷かっただけ、こういう展開において。結局のところ今年の世代(春戦線)ってキレ不足、逆に言えばメリケン的な押し切りな勢力で築かれていた。SSの時代が終わった事や地方出身騎手の台頭などによる競馬の質の変化がもたらしたんだろうか?もちろん天気や造園課の気まぐれもあるんだろうけど。それはともかく、菊花賞がこの日の様にヨーイドンな形になるならイコピコの連荘は濃厚だと言えると思うし、そうでないなら案外な結果になると思うし(前哨戦で負けた馬の挽回が大アリだし)、要するにイコピコがこの夏で急成長したなんてことも無いんだと思う。なら今年の菊花賞はコンディションと展開が大事な鍵になる。
3つ目、当日のコンディション。これは判断が可能で今のところ当日午後が雨かも?という感じ。何時から?どの程度?はまだ分からないけど、予報通りなら少しは降りそうでパンパンの良馬場という事はなさそう。その点はイコピコにとって良い材料にはならない。ダービー再現とはならないけど、春の実績組には良い材料になってる。
4つ目、レース展開。陣営が宣言してる様にリーチザクラウンが逃げるのは間違いないと思う。後はペースの問題。イコピコを始めとする「キレる」新勢力の脅威や、他馬が行きたがった場合に競る恐れ、それら色々考えれば武豊ジョッキーはスローではなくある程度離して逃げたいはずだろう。よって平均以上の前傾展開にはなりそうでヨーイドンの展開になる可能性は低いのではないか。ペースがより早くなるなら、能力あるけどイレ込む馬には追い風となってくるね。ま、仮に早くなくても長距離戦である以上、終いは神戸新聞杯よりも上がりがかかる。よってイコピコセイウンワンダーの評価を上げるのは危険だなぁというのが自分の判断。ちなみにセントライト記念は素直な普通の競馬だった(貶してるのではないよ)。以下各馬評。


[◎]【リーチザクラウン】 自分の競馬が出来るのは強み、大きく崩れることも無いはず。不安材料は逃げステイヤーに必要な「巧みにラップを刻む器用さ」に乏しい事。仮にそれがあったとしても、それをやると道中緩んでキレ系の台頭を許すことにも繋がる。本命視されてはいる本馬だが、立場は意外と厳しいと思う。長距離血統でも無いしね…。ま、ロジユニヴァースが居ないこともあって、能力差で押し切ってしまう可能性に期待したい。京都相性も良いからね。単勝5倍あれば美味しいと思う。
[ ]【アンライバルド】 かかる気性がとにかく厳しい。奇数番もちょっと不安。けど能力自体は長丁場をこなせるものを持ってるはず。リーチザクラウンら先行勢が早いペースを作ってその流れに乗っていけばチャンスがあるんだけど、それは難しそう。
[ ]【イコピコ】 天気次第、当日が高速馬場であれば前走再現。と言ってもオッズが過剰人気、買うのは割に合わない印象。せめて単勝8〜9倍くらいの位置にならないと…。
[△]【ナカヤマフェスタ】 大崩れの無い馬で、不安材料が初輸送以外見当たらない。雨でも晴れでもOK。あぁ、ESPがあるけど長距離ならまぁ大丈夫でしょう。自在性のある馬でもあるしね。ただ距離はちょい長いかなと見てる。
[ ]【セイウンワンダー】 どうもスタミナ面で不安を感じる。京都コースも血統的にどうだろう。少々の雨なら大丈夫のはず。キレ系の馬だから前傾展開でなければチャンス、イコピコの様な馬とセットで買うのがいいね。
[○]【アドマイヤメジャー】 血統に少々不安はあるが能力はある。前走は出遅れ及びヤラズが響いていた。人気落ちしていることもあって狙いたくなる馬。鞍上の川田は早仕掛けしそうだけど、それはそれで良い方に向きそう。
[▲]【アントニオバローズ】 これまで上がり35秒を切ったことが無く、ヨーイドンに全く向かない馬なので前走は度外視可能。心配されていたノドの疾患も改善に向かったという事で、完調では無くとも巻き返しは見込める。天候悪化も大歓迎。京都相性も人馬とも良い。距離はベストじゃないだろうけど能力が高いのでこなせる範囲、じゃなきゃあのダービーで沈んでる。前走の惨敗でより一層の人気落ちを願うかな。そう言えば獣医師の診断でノド鳴りじゃなく炎症だと言う事が分かり、吸引治療まで報道されてたのに、未だあちこちでノド鳴り陰謀論の様に一人歩きしてるのは何なんだ。
[ ]【フォゲッタブル】 ダンス産駒で長距離に対する血統の裏付けは文句なし。紐として抑えてみたい気もするが、実績の割に過剰人気っぽいので見送るつもり。
[ ]【スリーロールス】 印は付けなかったけど、イコピコ買うならこっちを買うべきだと思う。イコピコのおかげでオッズが美味しいことになってる。雨は大丈夫だと思うけど晴れてこそかな。新馬戦と500万勝ちを生で見たけど、この馬には見るものがあった。
[ ]【ブレイクランアウト】 当初路線からも長距離は…。雨は歓迎だと思う。
[×]【シェーンヴァルト東京優駿の回顧でも書いたように、タテヤマ!を期待したい一頭。血統も特段問題なし。問題は鞍上のコース取りだけ!
[ ]【セイクリッドバレー】 ちょっと力が足りないかなと。
[ ]【トライアンフマーチ】 距離が向いていないので見送り。
[ ]【ポルカマズルカ】北海道での好走は軽ハンデに支えられた感が否めない。サトノエンペラーに勝ててれば…ねぇ。父ティンバーカントリーも微妙だけど、この悪天候は向きそう。鞍上がノリさんってのだけは怖い。
[×]【ヤマニンウイスカー】 前走の大敗は出遅れが全て。イコピコと良い勝負してた馬がこの人気なのだから美味しい存在だと思う。時計勝負に不安がありそうな気がするので、今回の天候も向くはず。鞍上も魅力。
[ ]【キタサンチーフ】 荷が重い。父は京都向きなんだろうし、リーチから離れた2番手でスムーズに進めれば掲示板のチャンスはあるのかもしれないけど。
[ ]【キングバンブー】 ダート上がりは見送りだなー。
[ ]【イグゼキュティヴ】 お呼びでない馬。まぁ長距離向き血統に加え京都2歳S勝ち、オッズも酷いので雨降って馬場が悪くなれば複勝で遊んでもいいかも。


こんな感じかなー。当たる気は全くしないぜ! もし晴れて高速馬場ならスリーロールスの単複一点。ま、どんだけ吟味を重ねようともゼノンのパラドックスの様に遠さをどんどんと感じる、それが競馬。